今が旬!【根曲がり竹】
こんにちは。
今年も、たけのこ狩りのシーズンが始まりました。
野沢温泉村で採れるのは、「根曲がり竹」という種類。
根曲がり竹は、山菜の中でも人気の食材で、
みそ汁や天ぷら、煮物、炊き込みご飯など、様々な料理の主役として使われています。
その中でも大定番なのは、「根曲がり竹とサバ缶のみそ汁」。
サバ缶のダシが広がる中に、シャキッと食感の根曲がり竹が入ったみそ汁は優しくて深い味わい。
普段は、みそ汁にサバ缶を入れることはあまりないですが、たけのこ汁には欠かせないアイテムなんです。
先日、初物の根曲がり竹で「タケノコ汁」を作ったので、下処理の過程も含めてご紹介します。
根曲がり竹について
「根曲がり竹」とは、豪雪地に多く生えている竹の一種、「千島笹(チシマザサ)」の若竹のこと。
雪の重みで根元が曲がることがあるので、根曲がり竹と呼ばれるようになったそうです。
よく、「根曲がり竹は高級品」と言われます。
ネットで料金を調べてみても、「1kg数千円〜」とかなり高価に販売されているようです。
「たけのこ狩り」と一口に言っても、採りに行く際に危険が多い山菜です。
竹やぶの中に入れば道も悪く、夢中で収穫していると「あれ、ここはどこ?」なんてことも。
さらに、根曲がり竹はクマの好物でもあるようで、ばったり遭遇したら一大事。
様々な危険を回避し、ようやく手に入れた根曲り竹は、高級品といわれて納得できますね。
私事ですが、たけのこ狩りにはしばらく行っていません。
クマやヘビとの遭遇が怖くて、中学生以来行けてないのです。
竹やぶの中を進んでいく勇気を取り戻し次第、完全装備で再び挑戦するつもりです。
食べるところ・食べないところ
「根曲がり竹」は、よくスーパーで見かける太めのたけのこと比べ、細長いのが特徴です。
できることなら、先端から根元部分まで食べきりたいもの。
しかし、根曲がり竹は下処理する段階で、食べれる部分がかなり絞られていきます。
まず、皮をむいていきましょう。
↑こちらが皮をむいた写真。
何層もの皮に大事に包まれているので、結構な量になります。
先端部分が一番美味しいのに、気を抜くと折れてしまうのが悔しいところ。
折れたタケノコは、私の雑念の数でしょうか。
次に、食べれるところと食べれないところを切り分けていきます。
↑左側が「食べる部分」、右側が「食べない部分」。
半分ほど硬くて食べない部分になるのです。
根曲がり竹は根元に近づくに連れ、節を中心にかたくなっています。
歯ごたえが特徴の根曲り竹といえど、固すぎる部分は歯が泣きます。
こうして比較すると、改めて食べれる部分は貴重ですよね。
たけのこ汁
初物の根曲がり竹を美味しくいただくには、やっぱり「たけのこ汁」。
野沢温泉村の周辺地域では、サバ缶をいれたみそ汁を作ります。
隣まちの飯山市の大型スーパーでは、たけのこ狩りの時期になると、サバ缶が山積みで売られています。
海ナシ県長野が、最もサバを感じる季節は今だと言っていいでしょう。
今が旬の根曲がり竹ですが、美味しい状態で缶詰にして、冬のお食事でも提供します。
あとがき
たけのこ狩りのシーズンに毎年ふと思い出すことがあります。
昔、祖母が根曲がり竹の皮を、ものすごい速さでむいていたことです。
私は何度やっても習得できないテクニックなので、「幻のむきかた」と呼ぶことにしました。
私が爪を痛めながら、一枚一枚皮むきをしている中、
祖母は、「先端にかけた指を、高速で回転させながら、皮を一気に引っ張る」だけで完了。
仕上がりも綺麗で先端も折れていないのです。
年々その記憶も曖昧になっていくのですが、あんなに高速に皮をむくことが可能なのかと、不思議に思うのです。